2022年(令和4年)5月より、前理事長若林俊彦先生の後任として、日本脳腫瘍病理学会理事長を拝命いたしました。大任を仰せつかり身の引き締まる思いでございますが、理事・評議員、会員の皆様のご支援を頂きながら、今後、本学会発展のため誠心誠意努力いたしますのでよろしくお願い申し上げます。
本学会は、1982年にウィーンで開催された国際病理学会開催中に、石田陽一先生(当時:群馬大学医学部病理学講座教授)の下、景山直樹先生(当時:名古屋大学医学部脳神経外科講座教授)、吉田純先生(当時:名古屋大学医学部脳神経外科講座助手)、河本圭司先生(当時:関西医科大学脳神経外科講師)等を中心としてその骨子が産み出され、翌1983年に石田陽一会長(当時:群馬大学医学部病理学講座教授)の下、名古屋の地にて日本脳腫瘍病理研究会として第1回が開催されました。その後、第15回(田渕和雄会長 当時:佐賀医科大学脳神経外科教授)からは日本脳腫瘍病理学会となり、本年度第40回(佐々木惇教授 :埼玉医科大学病理学教授)を開催するまでに至っております。本学会との特色としては脳腫瘍病理に興味のある脳神経外科医・神経病理医を中心とした医師、研究者が一同に会し、議論することにあります。最新トピックを扱う招待講演やシンポジウム等のほかに、稀な症例・診断困難な症例に関して、実際にプレパラートを準備し顕鏡したのちに議論する臨床病理検討会など非常に特色のある構成になっています。また若手の教育という目的で毎年開催されている教育セミナーも例年 多くの参加を得ております。
一方、本学会の機関誌であるBrain tumor pathologyは、講演集より出発し、脳腫瘍病理(和文誌)を経て、現在2021年はImpact factor3.154と国内外における有数の雑誌として成長いたしました。
また、学会編集誌として“脳腫瘍病理カラーアトラス”医学書院を1988年以来発刊しており、2017年には第4版を刊行しました。現在WHO脳腫瘍分類第5版に合わせて第5版の編集作業を行っております。
さて、2016年のWHO脳腫瘍分類改訂第4版の発表後より、研究ベースであった脳腫瘍の分子診断が診断基準に導入されるようになり、本邦における脳腫瘍病理診断は大きな変革の時期に来ています。この動きは2021年に発表されたWHO脳腫瘍分類第5版において、ますます加速し、限られた施設を除いてWHO分類に完全に則った診断をすべての疾患に対し行うことは極めて困難になっています。この状況を踏まえて、本学会からも本邦の実情に合った形での病理診断の手順に関する提言を行いつつも、国内外の最新の知識・情報を会員の皆様にお届けしたいと考えております。
本会の趣旨にご賛同いただき、会員の皆様による本会への積極的御参加とご支援を賜りますようお願いいたします。どうかよろしくお願い申し上げます。
2022年12月吉日
日本脳腫瘍病理学会理事長
園田順彦
(山形大学医学部 脳神経外科 教授)
名誉会員
功労会員
顧問
理事長
理事
評議員
会期 | 開催地 | 会長 | 国際脳腫瘍シンポジウム | |
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第1回 | 昭和58年 | 名古屋 | 石田 陽一 | |
第2回 | 昭和59年 | 東京 | 景山 直樹 | |
第3回 | 昭和60年 | 岡山 | 山下 純宏 | |
第4回 | 昭和61年 | 東京 | 髙倉 公朋 | |
第5回 | 昭和62年 | 神戸 | 河本 圭司 | |
第6回 | 昭和63年 | 仙台 | 熊西 敏郎 | |
第7回 | 平成1年 | 東京 | 福井 仁士 | |
第8回 | 平成2年 | 大津 | 石田 陽一 | 第一回 |
第9回 | 平成3年 | 山形 | 長嶋 和郎 | |
第10回 | 平成4年 | 新潟 | 西本 詮 | |
第11回 | 平成5年 | 東京 | 吉田 純 | |
第12回 | 平成6年 | 福井 | 久保田紀彦 | |
第13回 | 平成7年 | 熊本 | 生塩 之敬 | |
第14回 | 平成8年 | 東京 | 久保 長生 | |
第15回 | 平成9年 | 佐賀 | 田渕 和雄 | |
第16回 | 平成10年 | 福岡 | 田中 隆一 | |
第17回 | 平成11年 | 前橋 | 中里 洋一 | |
第18回 | 平成12年 | 名古屋 | 吉田 純 | 第二回 |
第19回 | 平成13年 | 東京 | 松谷 雅生 | |
第20回 | 平成14年 | 広島 | 栗栖 薫 | |
第21回 | 平成15年 | 東京 | 堀 智勝 | 第三回 |
第22回 | 平成16年 | 新潟 | 高橋 均 | |
第23回 | 平成17年 | 東京 | 寺本 明 | |
第24回 | 平成18年 | 沖縄 | 吉井與志彦 | |
第25回 | 平成19年 | 熊本 | 倉津 純一 | |
第26回 | 平成20年 | 東京 | 吉峰 俊樹 | |
第27回 | 平成21年 | 福岡 | 岩城 徹 | |
第28回 | 平成22年 | 大阪 | 黒岩 敏彦 | |
第29回 | 平成23年 | 東京 | 渋井壮一郎 | |
第30回 | 平成24年 | 名古屋 | 若林 俊彦 | 第四回 |
第31回 | 平成25年 | 東京 | 松村 明 | |
第32回 | 平成26年 | 徳島 | 廣瀬 隆則 | |
第33回 | 平成27年 | 香川 | 田宮 隆 | |
第34回 | 平成28年 | 東京 | 吉田 一成 | |
第35回 | 平成29年 | 宇都宮 | 植木 敬介 | |
第36回 | 平成30年 | 東京 | 小森 隆司 | 第五回 会長 若林俊彦 |
第37回 | 2019年 | 名古屋 | 廣瀬 雄一 | |
第38回 | 2020年 | 東京 | 松野 彰 | |
第39回 | 2021年 | 宮崎 | 竹島 秀雄 | |
第40回 | 2022年 | 埼玉 | 佐々木 惇 | |
第41回 | 2023年 | 東京 | 永根 基雄 |
Brain Tumor Pathology
日本脳腫瘍病理学会の国際学術機関誌です。
脳腫瘍、特に脳腫瘍病理に関する最新の基礎研究、臨床研究の原著、症例報告、短報、総説を掲載しています。投稿には学会員である必要はありません。インパクトファクターも獲得しました。続きはコチラから
脳腫瘍臨床病理カラーアトラス
脳腫瘍に携わるすべての医師の定番書、WHO2016と最新知見を盛り込み全面改訂!
脳腫瘍の臨床像と病理所見を、大判かつ美麗な写真と簡潔な文章により見開きでコンパクトにまとめた、定評あるアトラスの改訂第4版。専門医を目指す若手からベテランまで、脳腫瘍に携わるすべての医師必携の書。編集:日本脳腫瘍病理学会。編集委員:若林俊彦・渋井壮一郎・廣瀬隆則・小森隆司
日本脳腫瘍病理学会事務局
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